コラム

【適格請求書発行事業者に相続が発生した場合③ まとめ】

2回にわたり適格請求書発行事業者(インボイス事業者)に相続が発生した場合の手続きについてみてきました。今回はすべきことを簡単にまとめたいと思います。

 

① 消費税の準確定申告(「付表7 死亡した事業者の消費税及び地方消費税の確定申告明細書」を添付)

・・・ 期限:相続開始日の翌日から4ヶ月を経過する日

 

② 相続開始日の翌日から4ヶ月以内 = みなし登録期間について、相続人による消費税申告が必要

〇遺産が未分割である期間については、法定相続人が法定相続分により申告

〇遺産分割確定後の期間については、該当事業・財産等の相続人が申告

※遺言書がない限り、この期間中で遺産分割が確定するのは困難であることが予想されます。そうなると法定相続人が法定相続分で消費税の申告をしなければならないことになるので、実務上注意が必要です。

 

③ みなし登録期間経過後

〇相続人がインボイス登録をしない場合は手続きなし

ただし、取引相手方は仕入税額控除ができない(経過措置あり)

 

〇相続人がインボイス登録をする場合

・相続人のインボイス登録申請が必要

・インボイス登録期間の取引について消費税申告が必要

※相続人が空白期間がないようにインボイス登録を継続したい場合には、遅くともみなし登録期間が終了する日までにインボイス登録申請が必要

 

必要な手続きについてみてきましたが、③で掲げた「相続人がインボイス登録しない場合」について、これまで被相続人がインボイス登録をしてきたのには一定の事情があったのではないかと思います。それを相続を機にインボイスの登録をやめるということになると、その取引の継続が困難となる事態もありうると思われます。

例えば、被相続人が店舗の賃貸をしていた場合に、被相続人はインボイス登録をしていたが、相続が発生してその建物を相続した相続人がインボイス登録をしないということになると、その店舗のの賃借人は支払った家賃について仕入税額控除ができないことになり、「他の物件を探すか」ということが起こらないとも限りません。

このような点も踏まえて、相続が発生した場合のインボイス制度への対応を検討する必要があるかと思います。十分ご注意さい。

 

(注)実際の対応については、税務署、専門家などにご確認の上でご対応いただきますようお願いいたします。