コラム

【適格請求書発行事業者に相続が発生した場合② みなし登録期間】

前回は適格請求書発行事業者に相続が発生した場合の差し当たり行わなければならない手続について説明しました。今回のその相続を受けた相続人等の取扱いについて説明していきます。

 

適格請求書(インボイス)発行事業者に相続が発生した場合に、その相続人がインボイス登録を受けるまでインボイスを発行できないとなると事業の継続に支障をきたすおそれがあるので、相続発生直後においても「みなし登録期間」は相続人がお亡くなりになった方のインボイス登録を引き継ぐ=登録番号を引き継ぐこととなります。これにより相続発生直後でもインボイス発行が可能となります。

このみなし登録期間とは、相続開始日の翌日から基本的には4月を経過する日までですが、この日より前にその相続人がインボイス登録を受けた場合にはその登録を受けた日までとなります。

※この取り扱いを受けるためには前回説明した「② 適格請求書発行事業者の死亡届出書」に一定の事項を記載する必要があります。

 

この規定は、みなし登録期間中はインボイスの登録を引き継ぐことができるというものですが、裏を返せばインボイスの登録を引き継がなければならない=消費税の申告・納税をしなければならない、ということになります。

例えば不動産事業を営んでいてインボイス登録をしていた方がお亡くなりになった場合には、その不動産を承継した相続人は相続開始日から4ヶ月経過日等までは消費税の申告・納税をしなければならないことになります。

さらに民法の規定によれば相続財産は分割が確定するまでは各法定相続人に法定相続分帰属することになるので、遺言がない場合は遺産分割が確定するまでの間、法定相続人が法定相続分の申告・納税をしなければならないということになります。

相続発生後4月以内で遺産分割が確定することは実務上あまり想定できませんので、規定に従えば少なくともみなし登録期間中は法定相続人の方全員が消費税の申告・納税をしなければならない、ということになるかと思います。実務を考えると、この手続きは結構大変なことだと思いますが・・・

 

(注)簡略化した説明となっておりますので、実際の手続きについては税務署、専門家等に相談の上で行ってください。