【非上場株式をその発行会社に譲渡した場合の特例】
今回は最近相談を受けた件で税務の怖さをあらためて実感したことについて話をしていきたいと思います。それは「相続等により取得した非上場株式をその発行会社に譲渡した場合の課税の特例」についてです。
通常、個人が非上場株式をその発行会社に譲渡した場合には、その譲渡対価のうち資本金等に対応する部分を超える部分が配当所得と取り扱われ、総合課税となり超過累進税率により所得税が課税されます。
これに対して相続等により取得したものについては、一定の要件を満たせば株式等の譲渡所得として一律15%※(この他住民税5%)による所得税の課税となります。この要件が結構細かい!
※この他復興特別所得税が加算されます。
端的に列挙すると
・相続または遺贈によりその非上場株式を取得したこと
・その相続または遺贈について納付すべき相続税があること
・その非上場株式をその相続税申告期限の翌日から3年を経過する日までにその発行会社に譲渡すること
・その譲渡の日までに「相続財産に係る非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例に関する届出書」を発行会社に提出すること
・発行会社が、この届出書をその譲り受けた年の翌年1月31日までに本店等の所轄税務署長に提出すること
などとなります。
特に最後の「翌年1月31日まで」に「所轄税務署長に提出」という要件、支払調書と同じ期限ですが申告期限ではないので忘れてしまいそうで怖いと感じるのは私だけでしょうか・・・
私が今回相談を受けたケースでは、千万円単位で納税額が変わるケースでした。この制度を知っていることはもとより、提案・実行する上では、必要な手続きについてもれがない様慎重な対応を行うべき制度であることをあらためて感じました。
注:文中、便宜上説明は簡略化しております。特例の適用に当たっては適用要件を十分に確認の上、適用の可否の判断をお願いいたします。