【名義預金】
2024年11月01日
“名義預金”。耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。相続税の税務調査でこの“名義預金”というものが財産の計上もれとして指摘されることがあります。今回はこの名義預金についてみていきたいと思います。
おじいちゃん:「かわいい孫のために孫の名義で預金を積んであげよう。でも孫に渡すと使われてしまうから、孫には内緒にしておこう。」
こんな話し、相続関連の仕事をしていると結構耳にします。このようなケースで名義預金が発生することになります。名義は孫なのに、なぜ・・・?
こういうケースでは、税務署におじいちゃんの財産だと指摘された場合、指摘された側は「孫がおじいちゃんから“贈与”でもらったものだから孫の預金だ!」と主張するのではないでしょうか。でもその主張は通らない可能性が高いです。
そもそも“贈与”というのは民法上の契約の一種で、あげた方(贈与者)ともらった方(受贈者)の双方の意思があってはじめて成立するものです。「お互いの意思が必要」という点が重要になります。
この点を踏まえて先の“おじいちゃん”の例をみると、孫に内緒で預金を積んでいるので、ここにもらった方(受贈者)である孫の意思はないと言えます。この点で贈与は成立しないことになるので、名義は孫であっても実質は“おじいちゃん”の預金であると判断され、名義預金とされてしまうのです。
このようなケース、「孫」の立場の方にはどうしようもありません。なぜなら、自分の知らないところで行われているからです。このケースでいう“おじいちゃん”に当たる方、このコラムを見たら是非、お孫さんのために“名義預金”と言われないよう気を付けてください。次回は、この名義預金の指摘を避けるためにどうしたらいいか、見ていきたいと思います。