コラム

【定額減税②・月次減税】

今回も引き続き定額減税について取り上げます。

所得税の定額減税額は、居住者である方のうち、所得者本人3万円と扶養親族(一定の要件を満たす配偶者を含む)1人につき3万円との合計額となります。この定額減税のうち、6月から給与所得者について月次減税がはじまります。

月次減税を行う上で重要なのは減税額がいくらになるか?を計算することです。その計算については所得者本人や配偶者を含む扶養親族が減税の対象になるかの確認が必要となります。以下、それぞれ居住者であることを前提にその判定のポイントについて説明します。

 

① 所得者本人

「扶養控除等申告書」を提出している方が対象となります。

月次減税の段階では合計所得金額1,805万円超かどうかは考慮しません。

 

② 扶養親族(配偶者を除く)の判定

扶養親族は、所得者本人が扶養している親族のうち合計所得金額が48万円以下の方として「扶養控除等申告書」に記載された方となります。基本的には6/1時点で提出されている「扶養控除等申告書」に記載されている方が対象となります。

もし6/1より前にお子様が生まれた等、扶養親族に変更があった場合などは「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」等にその旨を記載して提出して頂く必要があります。

 

③ 配偶者の判定

配偶者についても基本的には②の扶養親族と同じで、合計所得金額が48万円以下の方として「配偶者控除申告書」に記載された方が対象となります。

ただし配偶者の方の場合は少し複雑で、所得者本人の合計所得金額(の見積額)が900万円を超えると、「源泉控除対象配偶者」というものに該当しなくなり、規定上は「配偶者控除申告書」への記載がされなくなります。この場合は別途「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」等に配偶者の氏名等を記載して提出することで、減税の対象となる配偶者の方がいることを勤務先にお伝え頂く必要があります。

 

給与支払事務を担当されている方については、6/1以後最初に給与や賞与を支払うときまでに、その時点での情報を入手した上で月次減税額を計算しておくことが必要となります。前回も申し上げましたが国税庁ホームページにて「定額減税Q&A」などもあるので、それらも参考にしながら準備を進めていって頂ければと思います。