コラム

【定額減税①・趣旨と基本的考え方】

前回に引き続き定額減税についてお話をします。今回は特に会社などで給与事務を担当する方などに向けてのお話をさせて頂きます。

給与所得者(≒サラリーマン)に向けての定額減税は「月次減税」と「年調減税」の二つがあります。といっても「減税を2回できる!」というわけではなく、減税の計算手続きを行うタイミングが2回あるということです。このうち、まずは6月から「月次減税」が始まります。

なぜ6月から実施するか?その理由の一つに、6月は(一般的に)賞与の支給時期であるからということがあります。この賞与の支給時期に減税分の所得税も手元に残る=使えるお金がより多くなることで、たくさんの消費をして頂き景気の浮揚につなげようという景気対策的意味合いが定額減税の趣旨の一つにあります。

定額減税額を算出するには、本人の年間所得金額や配偶者を含む扶養親族の人数を確定させなければなりません。しかし年の途中である6月にこれを確定させるのは不可能です。そのため、とにかく賞与支給のタイミングに合わせることを重視して、6/1時点での状況で一旦減税を実施しておき、年末時点で違っていれば年末調整時(年調減税)に修正すればいい、という流れになっています。

それゆえに

・6/1在職者が対象(5/31以前退職者や6/2以後入社の方は対象外)

・扶養親族等については基本的に6/1時点で提出のある扶養控除等申告書で判定

(同日前にお亡くなりになっている扶養親族は、そのお亡くなりになった日の現況で判定)

・定額減税の対象外※かどうかの判定も6/1時点の見積もりによる

※合計所得金額1,805万円(給与収入のみの場合は年収2,000万円)超

などとなっています。詳細については次回あらためて説明いたします。

この制度の趣旨と基本的な考え方を理解しておくとケースバイケースの判断もある程度はできるのかと思います(6/1までに状況を把握しなければならないことが大変だとは思いますが…)。国税庁ホームページ「定額減税 特設サイト」もありますので、ご確認頂ければと思います。